2015年12月30日水曜日

英シンクタンク、中国経済“墜落”シナリオ想定

成長率が7%を下回ることが濃厚な中国は、16年に「安定成長」を掲げるが、英シンクタンクは2%台という超低成長に突入するハードランディング(墜落)シナリオを想定している。

AIIBが正式に発足したと発表したが、創設メンバー国として署名した56カ国のうち、17カ国だけ。

日米はフィリピンも領有権問題をめぐる傍若無人さに反発、年内の正式署名を見送る可能性が高まった。

楼継偉財政相はAIIBが「国際的な経済システムの改革で画期的な意味を持つ」と自画自賛したが、中国による中国のための銀行、という危惧は現実となった。

債券の格付けは最高位を取得できないとみられ、「トリプルA」格のアジア開発銀行に比べて金利が1%程度高くなると懸念されている。

不適格なジャンク債を扱うファンドが破綻したことが金融市場に波乱を呼んでいるが、ある意味でジャンク債以下の国際金融機関という異常な姿だ。初年度の融資規模を20億ドル(約2440億円)と融資を始め、当初数年間の融資規模は年100億~150億ドル(約1兆2000億~1兆8000億円)を予定するが、借り手の国にとっては高利貸、資金の出し手にとっては高リスク。

経済成長の先行きにも暗雲が立ちこめている。

中国人民銀行(中央銀行)は、成長率が6・8%、中国政府直属のシンクタンク、中国社会科学院は6・6~6・8%と、わずかな鈍化で済むと予測している。

仏金融大手ソシエテジェネラルは、成長率が3%まで落ち込むハードランディングリスクが30%、米シティグループのエコノミストは、実際の成長率は4%近くまで減速しており、16年半ばには2・5%まで低下、中国発の世界景気後退の確率が55%と予測を出している。

格付け大手のフィッチ・レーティングスは、「中国経済が予想以上に減速すれば、世界経済に大きな影響を及ぼす」と警鐘を鳴らしている。

習政権は駆け込みで年内に設立するなど、形の上ではメンツを保った形だ。


元記事
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151229/frn1512290830001-n1.htm

0 件のコメント:

コメントを投稿