2016年1月4日月曜日

中国人が震えた「あるタクシー運転手の自殺」と絶望的な貧困

 経済成長を続ける中国でも貧困問題は折に触れてクローズアップされる。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

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 2015年の中国は、国内に抱える絶望的な貧困をテーマにした記事が目立っていた。6月には中国南西部の貴州省畢節市で、出稼ぎに出た親と離れて暮らす、いわゆる「留守児童」の兄妹4人が農薬を飲んで自宅で集団自殺した事件が話題となった。この事件では地元政府の教育担当幹部ら5人が責任を問われ免職などの処分となったが、その後も留守児童たちの孤独を伝える記事が途絶えることはなかった。

 そして1年を締めくくる12月上旬には、驚くべき事件が人々の注目を集めることとなった。舞台となったのは四川省欅枝花市という農村である。事件の発端は借金を抱えて行き詰った25歳のタクシー運転手が川に身を投げたことだった。

「タクシー運転手は通常、請負制度により毎月決まった額を会社に支払うことになっていますが、この運転手はそれが払えなかったのです。わずか6000元(約11万1000円)でした。運転手は実家に帰り5000元(約9万2500円)を貸して欲しいと懇願するのですが、父母も貧しい農民です。両親は落胆した息子を送り出したのですが、仕事に戻ったと思った息子は、そのまま失踪してしまいます。2日後、会社から出勤していないことを知らされた両親が警察に捜索を依頼し、その結果、入水自殺の事実が分かったというのです。

記事URL
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_374625/



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